Once Bitten,Never Shy~観ないで死ねるか!~

劇場鑑賞作品について言いたい放題。少し毒入り。

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Uボート 最後の決断

uboat.jpg

「愛国心か、生還か―」
お楽しみ度 ☆☆☆☆

 先週鑑賞した「セルラー」に引き続いての"メイシー祭り"ではありませんが(笑)、ウィリアム・H・メイシーが主役を張っているこの作品、「セルラー」での彼の活躍ぶりにほだされたという側面もあり(笑)、しかもこちらも3週間の期間限定公開という、なにやら似たようなシチュエーション。巷では"潜水艦映画にハズレなし"という格言もあるらしく、それならばと、公開終了間近に駆け込みで行ってきました。

 時は第二次世界大戦最中の大西洋。ドイツ軍と連合軍との戦闘が激化している中、アメリカ軍の潜水艦ソードフィッシュが、ドイツ軍の潜水艦Uボートとの激闘の末、艦に魚雷が命中、生き残ったアメリカ軍の兵士たちはそのまま捕らえられ、ドイツ軍の捕虜としてUボートに。当然お互いへの憎しみを前面に出して対立する両軍。しかし、Uボート自体も戦闘による損傷で、長い航海はできない(すなわち、ドイツへ戻ることはできない)、さらにはアメリカ軍が持ち込んだ伝染病が艦内に蔓延し、ドイツ軍も兵士の2/3を失うことに。そんな極限下、生き延びるためにUボート艦長ヨナスの下したひとつの決断により、今までの米独呉越同舟状態から、お互いに協力し合ってこの窮地を脱出しようと奮闘する様、そしてそこから生まれる連帯感、友情にも似た相互理解という男たちのヒューマンドラマを、愛国心、家族への想いといった感情も交えながら緊張感溢れる語り口で描く秀作だ。彼らのひとつになった想いによって導かれるラストは、本当の戦時下ではきっとありえないだろうと思われるものの、それでもこの極限状態を乗り切った男たちの有り様に、そんな野暮なツッコミは無用と思わずにはいられない、これまた拾いモノの1本だ。結局戦争って、人間同士の憎しみ合いというよりも、間に国家というものが横たわっているからこそ起こるのかもしれないなどと思ってしまった。

 また、この作品では、必ずや生きて祖国に戻るという家族への想いを秘めながら、刻々と変わる状況に冷静に対処していくソードフィッシュのチーフ(艦長でも副艦長でもない"第三の男")ネイトや、Uボートの艦長ヨナスの意を受けて、部下たちをなだめに回る副艦長クレマー(当初はヨナスの指示に心の内では疑問を感じつつも、ヨナス亡き後次第に変わっていく様子がいい。Uボートを脱出するときの「ここでは私が上位階級なんだから、君から先に出たまえ。」というセリフに痺れた)、といった、"トップ"ではない男たちの姿がふんだんに描かれるとともに、戦禍で娘を失う哀しみを胸の内に抱えたUボートの艦長ヨナスの最後の決断を下すに当たっての彼の心情も意気に感じるものがあり、登場人物の人間描写が非常に上手くできている、そんな印象を受ける。

 それしても、ネイトを演じたウィリアム・H・メイシーの、このカッコよさはどうだ。極限状態の中、自分を見失うことなく冷静に、的確な指示を出すベテランのクールさ。「セルラー」に続き、完全に今までの彼のイメージを覆すかのような静かなる熱演。今年の主演男優候補に躍り出た感じだ。それと、Uボート艦長ヨナスを演じるティル・シュヴァイガー。そういや「ノッキン・オン・ヘヴンズ・ドア」や「レボルーション6」に出てた彼だったんだということを後から知ったのだけど、部下からは"裏切り者"呼ばわりされながらも、実は一番現実的な手法で生き延びようとする、ナチスドイツでは間違いなく道に外れた生き方なのかもしれないけれど、娘を失った哀しみがその基になっているのだろうけど、人を殺すよりも生かすことの強さを知り、部下のことを思うその気持ちは間違いなくクールだ。

 低予算ながらも緊張感溢れる展開と、優れた人間描写とドラマ。「セルラー」同様、こういった作品が3週間の期間限定公開だなんてなんとも勿体無い!

2005/03/05 @日比谷スカラ座2
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  1. 2005/07/16(土) 21:03:45|
  2. movies(英数)
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

はじめまして、通りがかりの者です。
私は最近この映画を見る機会があったんですけど、
ハラハラするところもあり、おもしろい映画だと感じました。
  1. 2005/07/28(木) 19:07:53 |
  2. URL |
  3. 橋 光夫 #mQop/nM.
  4. [ 編集]

☆橋さま☆

お立ち寄りくださりありがとうございます。

ホント、この作品、低予算ながら俳優たちのいぶし銀の存在感、密閉された空間での緊張感溢れる展開、まさに拾いモノの1本と言えるのではないでしょうか。

よく"潜水艦映画にハズレなし"という言葉を耳にするのですが、まさにそれを地で行くような、そんな作品だと感じました。
  1. 2005/08/11(木) 21:56:42 |
  2. URL |
  3. mista-bone #8/MAAvuo
  4. [ 編集]

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