Once Bitten,Never Shy~観ないで死ねるか!~

劇場鑑賞作品について言いたい放題。少し毒入り。

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KILL BILL Vol.2

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「KILL is LOVE」
お楽しみ度 ☆×∞

 花嫁("ザ・ブライド")は、ひとりの男を追って世界を旅している。その男の名はビル。娘を殺した男であり、その娘の父親であり、かつて愛した男であった。そして彼女は、まだ娘が生きていることを知らない・・・。

 あたしにとっての2003年のChampion、「KILL BILL Vol.1」公開直後から、これを楽しみに今まで生きてきたといっても過言ではないこの「Vol.2」。まさに"観ないで死ねるか!"だったりするのだけど(笑)、あたしがこの作品を観るにあたってのスタンスとして、「Vol.1」と「Vol.2」は元々1本の作品であったのを無理矢理2分割したものであり、「Vol.1」は起承転結の"起"と"承"に当たる部分、「Vol.2」は"転"と"結"に当たる部分であり、当然あのタランティーノのことだからして、「Vol.1」と「Vol.2」が同じタッチの作品になるはずもなく、「Vol.1」と同じものなどはまったく期待していないし、そして、やはり1本の作品なのだから、「Vol.1」と「Vol.2」のどちらが好きかなどという考えもあたしの中ではまったく意味を成さないというスタンスで鑑賞したということを最初にお断りしておく。といっても、このあまりのタッチの違いには、ホントにこれが1本の作品として撮られたのか?などというツマラン疑問もわいたりして(笑)。

 とまあ、そんな理屈はさておいて、"「KILL BILL」SAGA"の後半戦となるこの作品、「Vol.1」で謎として残った部分がすべて氷解し(1本の作品だから当然だ)、セリフ回し、キャラクターの設定など、随所にタランティーノらしさが満載の、ファンにとっては間違いなく安心して観ていることができる愛すべき作品に仕上がっているといっていいだろう。やはり、「Vol.1」は、このラストのクライマックスへ至るまでの単なる序章に過ぎなかったということが良く分かる。とはいえ、今現在まで3回鑑賞した今でも(註:9/27現在で8回鑑賞)、まだまだあれもこれもと頭の中が整理されていなくて、かなり支離滅裂なレビューになっているのはご容赦くだされ。

 で、「Vol.2」は、ホントにストーリー重視。タランティーノが影響を受けたカンフー映画やマカロニ・ウエスタン映画へのオマージュが捧げられたといっても、実はこの辺の映画に疎いあたしには元ネタがどうとか言える知識もなく(汗)、それでも、局所に散りばめられた雰囲気で、「ナルホド~。」と思わせられてしまうというのがなんとも。

 それと、要所要所で語られるエピソードも無駄なんだけど無駄がない(笑)。そもそもタランティーノの作品って、極論しちゃうと無駄なセリフ、無駄なシーンの積み重ねみたいなところがあって、それが上手い具合に作品の中で機能しているから凄いんだと思うんだよね。パイ・メイ(この人のあごひげをサラリと撫でるその仕草がなんともキュート(笑))の猛特訓における"犬食い"のシーンとか、ビルがいきなり語るアメコミ・ヒーローの話とか、教会でのサミュエル・L・ジャクソン演じるオルガン奏者のツアーの話とか、バドのトレーラーハウスでバドがエルに訊く「お前が感じているのはどっちの"R"だ?」というセリフとか、"ザ・ブライド"に差し向けられた刺客が、彼女の妊娠を知って穴の開いたドア越しに「おめでとう!」って言って去っていくシーンとか、再会(と言っていいよね)を果たした"ザ・ブライド"とB.B.が一緒に「SHOGUN ASSASIN」(「子連れ狼」)を観るシーンとか(するって~と、B.B.はさながら大五郎か!?)、生き埋めから脱出した"ザ・ブライド"がカフェにフラフラと入っていくシーンとか(全然シチュエーションは違うんだけど、何故か「パルプ・フィクション」でミアがオーバードーズから蘇生したその後のシーンを思い出してしまった)、ビルの金髪好きのエピソードとか、B.B.の金魚のエピソードとか、ビルが"ザ・ブライド"に「半蔵さんの寿司の腕前は少しは上達したか?」なんて訊くシーンとそれに対して彼女が首を振るシーン(ってことは、1ヶ月の間、彼女は不味い寿司を食わされてたってこと?(爆))とか、バドの"出勤日チェック"のシーンとか(あと、ロケットが彼に「トイレが詰まったの。」なんていうのもあったな。バドのダメ男ぶりがこれでもかと言わんばかりに表現されてるよね)、とにかく枚挙に暇がない。その一方で、パイ・メイに仕込まれた技を脱出にしっかりと使ったり(この脱出シーンが、これまたBGMと絶妙にマッチしていてカッチョいいんだな、これが)、ビルとの会話の中で話題に出た五点掌爆心拳をしっかりと"ここしかない!"という場面に使ったりと、無駄なくシーンに織り込むことも忘れていない。

 また、母子の再会、ビルとの対決だけでなく、この作品のもうひとつの見所は、やはり"ザ・ブライド"とエル・ドライバーの一騎打ち。最初は荒野での服部半蔵の刀でのチャンバラという設定だったらしいのだけど、いざ蓋を開ければ狭く小汚いトレーラー・ハウスでの単なる殴る蹴る&取っ組み合いの喧嘩(笑)。お互いの拳法を駆使したりというのはあるんだけど、あれはどうみても単なる掴み合い(笑)。普通、便器に顔突っ込まないってば(爆)。でも、これがまた妙にハマっている。このバトル・シーンは、きっと忘れられないシーンになるんだろうな~。で、その喧嘩(笑)の中でエル・ドライバーの片目の謎が明らかにされ、お互いの師匠パイ・メイの末路まで明らかにされるとなると、当然勝負の落とし前をつけるのはあれしかないでしょ!みたいな。彼女には"死"よりも生き地獄を味わわせちゃえ、みたいな。ここで左目まで抉られたエル・ドライバーが悶絶寸前にのたうち回る姿、彼女の抉った眼球をグニャリと踏み潰す"ザ・ブライド"の冷酷さ。残酷なんだけど笑っちゃう(このシーンって、絶対最終章で語られるB.B.の金魚のエピソードとリンクしてるよね)。

 しかしまあ、キャラ設定ということになると、このダリル・ハンナ演じるエル・ドライバーの、バドのトレーラー・ハウスへトランザムを駆って疾走する姿がBGMと絶妙にマッチしてクールだったり、元の仲間のバドまで策を弄して殺しちゃう性悪女ぶりとか、その一方でメモ魔だったりするのが妙に可笑しかったり、彼女のセリフの中での「"おびただしい"って言葉好きよ。」なんていうのがすごく印象深かったり。

 あと、バドは完全に落ちぶれちゃって、今じゃ酒場の役立たずの用心棒。その退廃的な雰囲気をマイケル・マドセン、絶妙に醸し出しているのが凄い。でも、バドが唯一"ザ・ブライド"を返り討ちにしたということで、実は一番強かったりして!?その割には、エル・ドライバーに簡単に殺られちゃうのが哀しいけど(笑)。でもさ~、このふたりを見ていると、引退したヴァニータ・グリーンも含めて、オーレン・イシイを除いたTHE DiVASの面々って、あの教会での大虐殺以降落ちぶれちゃってるかも!?エル・ドライバーだって、なんか別に大きな仕事してるってわけじゃなさそうだし・・・。そういやビルだってホテルで隠遁生活だもんな。何が彼らをそうさせたのか?って、これは余談だけど(苦笑)。

 その他に嬉しかったのがエンド・クレジットでの遊び心と「Vol.1」からの主要な登場人物をすべて紹介してくれたこと(やっぱり、北村一輝は二役やってた)、ウマ・サーマンのクレジット(やっぱりこの4つは必須でしょ。"AKA Mommy"っていうのが好き。ついでにアーリーンも入れてくれたら完璧だったな)とまたまたやってくれましたの"恨み節"(笑)。エンド・クレジットといえば、この作品のスコアを手がけているのって、ロバート"ブラザー"ロドリゲスじゃん!と、その名前をクレジットに発見したときにはすごく嬉しかったにゃ~♪そういや、オーレンのスタントとしてクレジットされていた"MICHIKO NISHIWAKI"って、ありゃ絶対西脇美智子のことだよね。

 そして、この作品のサブタイトルとも言うべき"ザ・ラヴ・ストーリー"。最初はタランティーノとラヴ・ストーリーってなんだかかけ離れているような気がしたのだけど、いやいやどうして。男女の愛だけではなく、母性愛、兄弟愛、愛憎相半ばする感情、そういった、より広い意味での普遍的な愛というものが、見事に描かれている。

 "ザ・ブライド"とビルの間の愛。教会での大虐殺の前に再会を果たすふたりの間に流れる微妙な感情。その正体は最終章でのふたりの対決で明らかにされる。その根底に流れるどうしようもない男女の感情の揺れ。お互い愛していたのに、だけど・・・。このなんともロマンティックというには大袈裟だけどなんともムーディーな雰囲気に溜息。それだけに、"ザ・ブライド"がビルに五点掌爆心拳でとどめを刺すくだり、本当の"別れ"を前にしたふたりの表情に思わず涙。死に行くビルの表情が、なんともクールでカッコいい(ほとんど仁侠映画の世界だ)。"復讐"、のはずなんだけど、その根底に流れるのはどうしようもないお互いの"愛"だったみたいな。「Vol.1」では熱いものがこみ上げるところまでだったんだけど、この「Vol.2」ではとうとうマジ泣きかよ!(笑)

 その男女の愛を超越する"ザ・ブライド"の母性愛。妊娠が判明したときの衝撃、子供の未来のために組織を離脱しようとするその気持ち、娘を殺されたと思い復讐の道を辿るも、死んだと思っていた娘B.B.が生きていたと知ったときの彼女の感情、その表情。B.B.のベッド脇に置かれた"ザ・ブライド"の写真。そしてすべてに片が付いた翌朝にB.B.と一緒に見せるその晴れやかな表情。すべてを包み込む母の愛。父親の顔を知らずに母親に女手ひとつで育てられ(ということは、同じ境遇のビルのキャラに自らを投影しているのか?)、彼女にいいことも悪いことも、人生における様々な物事を教わったであろう(この辺が、もしかしたらB.B.の金魚のエピソードによって象徴されているのかな?)タランティーノの自身の母親への深い敬愛の念。そして、自らが母親になったことで母性というものをあらためて見つめ直したのではないかと思えるウマ・サーマン。この"ザ・ブライド"のキャラクターはタランティーノとウマ・サーマンのコラボレーションによって生み出されたものであるから、それぞれの人生観、視点からの"母性愛"というものに満ち溢れたキャラクターになるのは必然なんだろうか。

 また、ビルとバドの間のこれまた微妙な兄弟愛(と言っていいのか?)。バドがビルの前で質屋に売り払ったと言ってのけた服部半蔵の刀。だけど、実はそれは嘘。関係がこじれた兄貴の手前の照れ隠しなのかその真意の程は分からないけど、やっぱりそう簡単に手放すことなど出来やしない。そしてその刀に刻まれたビルからのメッセージ(これには泣けたね~)。そこにあるのはかつていい関係を築いていた兄弟の情愛。今はこんな関係になってしまったけど、それとは違うそう遠くはない昔に思いを馳せてしまう。そういったものをすべて呑み込んで咀嚼した上で吐き出したのがこの作品。これぞタランティーノ流ラヴ・ストーリー。それ故、これでいいのだ!
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  1. 2005/07/15(金) 21:33:44|
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