Once Bitten,Never Shy~観ないで死ねるか!~

劇場鑑賞作品について言いたい放題。少し毒入り。

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ラブ・アクチュアリー

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「気付いていますか?愛は実際まわりにあふれていることを・・・」
お楽しみ度 ☆☆☆☆☆

 そもそも、この作品を観るつもりはなかった。正直なところ、巷に溢れている凡百のラブストーリーと大差ないだろうという先入観にとらわれていたから。だけど、この作品を観た、周囲の信頼の置ける人たちの評価が皆一様に高いことから気になって、しかも、大好きなビル・ナイが出演しているということも拍車をかけて、ダメもと、ビル・ナイを観られればそれでいいや的な、お気楽モードで観に行ったところ、これが大正解。ガッツリ笑って泣いて、最高にハッピーな気持ちになれる、なんともハートウォーミングなストーリー。自分でも、まさかここまでハマるとは思わなかったけど、こんな素敵な作品をツマラン先入観から危うく観逃すところだった自分の鈍い感性を呪いたくなる(汗)。

 物語は、総勢19名の主要キャスト、トータル9つのストリーから構成される。新首相とそのお茶汲み秘書、妻に先立たれた男性とその妻の連れ子、弟に恋人を寝取られた作家と傷心旅行先のフランスで出会うポルトガル人のメイド、夫の浮気心に悩む妻、2年7ヶ月もの間同僚を想い続ける女性、親友の新妻に恋心を抱く画家、イギリスではもてないからと、アメリカへガールハントの旅へ出る男性、スターのスタンド・インとしてカメラの前に立ち、濃厚なラブシーンを演じる男女、そして、落ちぶれた元ロック・スターとそのマネージャー。

 これらのストーリーがが並行して語られるというのは、ともすると物語全体が散漫になってしまうリスクを負うものだが、この作品に関して言えば、そんな心配は無用。それぞれのストーリーや登場人物が等身大で、「そうそう!」「あるある!」といった共感を呼ぶことが出来るし、ひとりひとりの登場人物の書き分け、人物描写がしっかりとなされているために混乱することもなく(とはいえ、ぢつは、最初リーアム・ニーソンとコリン・ファースの区別が付かなかったということを告白しておく(汗))人間ドラマとしても十分に楽しめ、幾つかのストーリーで登場人物が微妙にリンクしながら収束していくという構成の上手さも手伝って、最後に見事な着地を決めるという手法がなんとも心憎い。最初と最後に空港のシーンを持ってくるという構成も上手いよね。最後なんてもう、顔がグシャグシャになるくらい泣きましたよ、あたしは。普遍的な魅力を備えた、満足感でお腹一杯になって笑顔で映画館を後に出来る映画、そんな作品に仕上がっていると言っていいだろう。

 この9つのストーリーの中で、一番のあたしのツボだったのは、キーラ・ナイトレイ絡みの、親友ピーターの新妻ジュリエットに恋心を抱いてしまう画家、マークのストーリー。教会の結婚式での"All You Need Is Love"の趣向からしてもうツボ。そして、自分がジュリエットのことを好きだという気持ちを抑え込むために彼女につれなく接してしまう心理。凄くよく分かる。そんな彼の気持ちを知らずに自分が彼に嫌われているんじゃないかと勘ぐってマークと友達になろうと努めるジュリエット。結婚式のビデオを見せてもらうという口実で彼のアパートを訪ねたジュリエットが目にした、彼女ばかりを追いかけているビデオテープ。「そうだったの・・・。」と呟く彼女に自分の気持ちを気付かれてしまったときのマークの気持ち、そしてクリスマスの晩にジュリエットのもとを訪れて、紙芝居で自分の気持ちを伝えるマーク。彼の気持ちが痛いほど分かるだけに、もう切なくて切なくて、涙が止まらなかった。

 その他のストーリーについても、新首相とお茶汲み秘書のストーリーでは、最初の秘書のナタリーの4文字言葉でもうすべて許せちゃうみたいな(笑)。日本では、絶対に首相をネタにして、こうしたスマートなストーリーは作れないよ。デヴィッドを演じるヒュー・グラントの、ちょっと弱気なナイーブな感じが独身首相の雰囲気とマッチしていたし、サッチャーの肖像画をあの場面で使うというのがいかにもブリティッシュ(笑)。シチュエーションは全然違うけど、女王陛下をネタにした「シューティング・フィッシュ」を何故か思い出してしまった。また、傲慢なセクハラ・アメリカ大統領をビリー・ボブ・ソーントンに演じさせるというキャスティングのセンスも抜群。会談後、ナタリーに対するアメリカ大統領のセクハラ場面を目撃してしまった後の記者会見で、イギリスの様々な有名なものを挙げながら、ガツンと一発食らわせるシーンには溜飲が下がる思いだ。そして、ラストの学校のクリスマス発表会の舞台裏のキスシーン。こういう作品には、こうしたやり過ぎくらいがちょうどいい(笑)。

 妻に先立たれた男と妻の連れ子のストーリーでは、血の繋がらない継父ダニエルと義理の息子サムの心の触れ合いが、ジワリジワリと胸に染みてくると同時に、息子サムの片想い。もてるためにはバンドだぜ~とばかりにドラムを練習し始めるサムの姿には、音楽ファンとしてはニヤリとせずにはいられない。ラストで空港に好きなあの子に告白に走る姿、空港係員に捕まって連れ戻された後に彼女が戻ってきてチュってシーンに思わずホロリ。

 作家ジェイミーとメイドオーレリアのストーリーには、言葉の通じないふたりの想い、彼女に想いを伝えるために帰国後ポルトガル語を一生懸命習うジェイミーがなんとも微笑ましい。ラストの告白シーンは、いかにもお約束的な展開なんだけど、それでも心の中で喝采を送らずにはいられない。しかしまあ、どんどんついて来る村人の数が増えていくんですけど(笑)。

 夫ハリーの浮気心に悩む妻カレンが、てっきり自分へのプレゼントだと思っていたネックレスが自分のためのものではなく、だけど、彼からのプレゼントが大好きなジョニ・ミッチェルのCDだというのがなんとも複雑な気分。これはキツイよ。このストーリーでは、こだわりの宝石店店員、ローワン・アトキンソンがいい味を出している(笑)。

 2年7ヶ月のサラの片想いは、クリスマス・パーティーの夜にその片想いの相手、カールが自分の家に上がってくれるときのサラの小さなガッツポーズがなんともキュート(笑)。だけど、カールよりも、サラの精神を病む弟の世話をしなきゃならないというのが、世の中奇麗事だけで上手く進むものなのではないという現実にほろ苦さを覚えたりして。

 アメリカへガールハントのたびに出るコリンの場合は、お約束的な展開だとすべてを毟り取られて心身ともにボロボロになって帰国するというのが関の山だと思うんだけど、これがまあ、思い切りモテモテじゃん、みたいな(笑)。こういういい意味で予想を裏切る展開というのは大歓迎。やっぱ、こういう作品には、ハッピーエンドがよく似合う。

 こうしたストーリーのどれもが好感の持てるもので、それぞれのキャラクターを演じる俳優が上手い具合に噛み合っていたと思うんだけど、俳優陣の中で一番のヒットは、やっぱりビリー・マックを演じるビル・ナイに他ならない。オープニングでいきなり彼のアップが映し出されただけでもう掴みはOKみたいな(笑)。落ちぶれた今でも未だにスター気取りが抜けきらない元ロック・スターというキャラクターは、やはり彼が同じく昔の人気バンドのヴォーカリストを演じた「スティル・クレイジー」を髣髴とさせるものだし、要所要所でスパイス的な役割を絶妙に果たしているのが何といっても素晴らしい。影の主役はビル・ナイだと断言しましょう。オマケに、クリスマス・ソングのNo.1になったときの公約をしっかりと果たしてるし(笑)、プロモーション・ビデオはコテコテの80年代(どうも、故ロバート・パーマーのプロモ・ビデオのパロディーらしいのだが、オリジナルを見た記憶がないので、ここで大笑いできなかったのが残念)。そんな彼と彼の我儘をハンドリングしながら、影に日向に支えるマネージャーのジョーとの友情物語というのがまたいいんだ。

 それと、音楽ファンにはたまらない幾つかのネタ。ピーターとジュリエットの結婚パーティーのDJがMOTORHEADのTシャツを着ていたり(その割りに、かける曲がパーティー参加者にも不評なソフト・ミュージックだというのが笑える)、サラの弟との電話での会話の中でジョン・ボン・ジョヴィが出てきたり、ビリーのパーティーの中でエルトン・ジョンがネタになったのは、ビリーからジョーへのあの告白シーンへの前フリだったのね、とか、サムのドラムのネタも含めてしっかりと笑わせてもらった。

 そして、やはり素晴らしいのが、物語と絶妙にマッチする音楽たち。「みんなのうた」のレビューでも書いたけど、ジャンルなど関係なしに音楽の持つ偉大な力を再認識し、音楽と映画とは密接不可分であるということをあらためて思い知らされた。速攻サントラ買っちゃったもんね。

 というわけで、近年稀に見る、正統的なラブストーリー、人間ドラマの傑作だと断言する。この作品の良さをあたしに教えてくれた、すべての人たちに感謝します。本当にありがとうございました。
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  1. 2005/07/15(金) 21:43:19|
  2. movies(や~わ)
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