Once Bitten,Never Shy~観ないで死ねるか!~

劇場鑑賞作品について言いたい放題。少し毒入り。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

しあわせな孤独

openhearts.jpg

「愛について、誰も教えてくれなかったこと。」
お楽しみ度 ☆☆☆☆

 デンマーク映画といえば「奇跡の海」だったり、「ダンサー・インザ・ザーク」などが真っ先に頭に思い浮かぶのだけど、この作品は、より身近な"愛"について描いた作品ということになるのかな。

 結婚を約束した幸せなカップルのうち、男性が車に撥ねられて、撥ねた女性の夫が勤める病院に運び込まれ、その夫が、撥ねられて首から下の神経が完全に麻痺してしまって回復不能になった男性のパートナーの女性を力づけようとするうちに、いつしかこのふたりが恋に落ち、今まで平穏だったそれぞれの人生がそれこそ雪崩をうつかのように崩れ落ちてゆく。交通事故という、ひとつの偶然、事件がきっかけとなって巻き起こる人生の皮肉、悲劇。そしてそこに映し出される人間の弱さ、哀しさ、身勝手さ。その展開の仕方がなんともリアルで、辛くて痛くて哀しくて苦しくて切なくて。だけど、彼らの行く末を見届けたくて、一時たりともスクリーンから目を離せない、そんな作品に仕上がっているのではなかろうか。モチロン、感情移入できるかどうかは、観る側の価値観が多分に反映されるのだとは思うけど。

 また、登場人物たちの姿もやけに等身大で、そのいずれにも感情移入、共感ができるような、そんな感じ。事故に遭ったヨアヒムの、自分に起きたことを俄かには受け入れられずに荒む心のあり方には、やはり15年前にそれこそ"死"を覚悟し、その現実を受け入れられずに苦しんだ自分自身の姿を重ね、重体に陥ったヨアヒムを支えようとするも、ヨアヒムに突き放されて混乱し、自分の居場所を完全に見失ったセシリには、自分の居場所、心の内を埋めてくれる人を求めずにはいられない人間の弱さを感じ、そんなセシリを慰めようとするうちにいつの間にかセシリに恋してしまうニルス、そしてセシリには、家族がいるのに、恋人がいるのに、と思いつつも、理屈では計り知れない人間の身勝手さ、エゴを思い(あの家具を買いに行くシーンはないだろー)、自らニルスにセシリを力づけるように頼んだことが仇となって夫を失う危機に直面してしまうマリーには、人生の皮肉を思い、自分が助手席で母親と口論していたがために前方不注意によってこの交通事故が起きたのではないかと心を痛め、その事故をきっかけとして芽生えた父ニルスとセシリの関係に強い拒否反応を起こすスティーネには、10代の少女の潔癖さを思い、と、すべての主要登場人物に共感、感情移入ができるということで、それぞれの登場人物の人物描写がとても優れていると思うし、もし自分が彼らと同じような立場に立たされたら、それが誰の立場であったとしても、同じような行動に走るのではないかと思わせられてしまう。でも、さすがにヨアヒムを轢いたその日に家族で誕生パーティーを開くその神経には共感できなかったけど(苦笑)。

 そして、ひとつの出来事がきっかけとなって今までとは違う方向に回り始めた彼らの運命を象徴するかのごとく用意されたエンディング。失った時間、一度狂った運命の歯車は二度と取り戻せず、元に戻ることはない。そこにまた、運命、そして人生の皮肉、哀しさを見出して、胸を痛めてしまうのだ。人間の性とは痛く、そして哀しい。でも、一体誰を責めることができよう?弱く、不完全であるのもまた人間なのだ。
スポンサーサイト
  1. 2005/07/15(金) 21:52:09|
  2. movies(さ)
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<レジェンド・オブ・メキシコ | ホーム | 父と暮せば>>

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://bone01.blog16.fc2.com/tb.php/25-1649a1c6

mista-bone

09 | 2017/10 | 11
Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -

Recent Entries

Recent Comments

Recent Trackbacks

Archives

Category

Links

Search

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。