Once Bitten,Never Shy~観ないで死ねるか!~

劇場鑑賞作品について言いたい放題。少し毒入り。

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リンダ リンダ リンダ

rinda.jpg

「女子高生がブルーハーツ。ボーカルは韓国からの留学生!?」
お楽しみ度 ☆☆☆☆

 ―「ソンさん、バンドやんない?」「はい。」―
 このかなりテキトーというか、いい加減なやり取りでもうOKって感じ(笑)。高校生活最後の文化祭で、ギターが指を骨折、ヴォーカルは脱退、空中分解寸前のバンドで、ほんの偶然デッキに入れたテープから流れる流れるブルーハーツの"リンダ リンダ"。ここから始まる3日間の彼女たちの物語。

 ここで描かれるのはバンド青春映画。現役のロック・ファン、昔のロック・ファン、バンドを組んでいる人も昔組んでいた人も、バンドを組んでいなくても音楽をやっている人もやっていた人も、それぞれの現在と過去に思いを馳せ、思わず胸キュン(死語)になりそうな清々しい物語。だけど、ガンガン猛練習して、とかの"熱血映画"ではないし、青春映画とはいえ、妙に青臭い"青春"というのともちょっと違う。

 だけれども、日常のひとコマひとコマを絶妙に切り取り提示し、その上でメインとなる4人のキャラクター描写が非常にリアルな、山下敦弘監督のその手腕が非常にお見事だ。部室での最初の音合わせに思わず漏れる「ヒドイ・・・。」のセリフ(笑)。大きな音を出せない真夜中の部室での意味のない(笑)コソコソとした練習、真夜中の丘の上での何てことのない会話、ベースの望の家での中学の卒業アルバムを見ながらの会話、響子が想いを寄せる一也とのぎこちないやり取り、恵と元カレ、トモキ、恵と元Vo.凛子の関係など、「あ~、なんかあるある!」と思わずにはいられない。すごく"普通"なんだけど、その分心の中にス~っと入り込んでくるというか。

 その一方で、韓国からの留学生、ソンの、言葉の壁なんかもあってひとりでいることの多かった彼女(唯一の小学生の友だちとマンガを読みながら過ごすというのがまた、ね・・・。)が、バンドをやることによってその距離感を縮めていく様も微笑ましい。また、本番前夜の誰もいない体育館でMCの真似事をしながらプレイしている様子を頭の中に思い浮かべているに違いない彼女の姿が何ともたまらなく愛おしい。もっとも、その割には、よく分からない言葉にもテキトーに相槌を打つ、そのバイタリティーというか、いい意味でのいい加減さが可笑しいんだけど(笑)。ボーカル練習のためのカラオケBOXでの店員とのやり取りなんかサイコーだね(笑)。ソンを演じたペ・ドゥナ、ちょっと高校生約にはキツくないか?(笑)って思ってたんだけど、物語が進むにつれ、そんなことはどうでもいいというか、段々違和感なく思えてきたのがスゴイというか、なんというか。

 こうしたキャラクター描写もさることながら、彼女たちの演奏シーンもなかなか堂に入っている。クライマックスでの演奏シーンに、思わず笑みがこぼれてしまう。その一方で、熱狂する観客と対照的な土砂降りの雨の中映し出される誰もいない校舎、プールなどの風景に、祭りの後の寂しさというか、「ああ~、この瞬間は一瞬のこと、決して永遠ではないんだよな~。」という、何やら切ない思いもこみ上げてきたりする。こうしたユーモアと切なさの匙加減が絶妙な、青春映画の傑作とも言うべき愛すべき作品だ。こうした作品を作らせてしまう、ブルーハーツの楽曲の持つ魅力、そしてパワーに頭が下がる思いだ(映画評で松本隆の言う「ブルーハーツに嫉妬した。」という言葉に思わず頷いてしまった)。

 ちなみに、萌を演じた湯川潮音、恵たちがスタジオで寝過ごして会場入りするまでの繋ぎで聴かせた歌声がなんとも素晴らしい玄人はだしの澄んだ歌声だと思ったら(はっぴいえんどの"風来坊"のカバーが出色)、彼女プロのシンガーなんですな。しかも東京少年少女合唱隊で長年ソプラノをやってたとか。いや~、またいいミュージシャンに出会えたかも。

 それと、キャスティングという点では、ブルーハーツの甲本ヒロトの実弟甲本雅裕をキャスティングしちゃうセンスにも思わずニヤリとしたのでした。

 しかし、そういったいいことずくめの作品であるにもかかわらず、上映途中で映写機トラブルにより一度上映が中断されてしまい、興を削がれてしまったのが非常に残念だ。それがなければもっともっと作品世界に浸ることができたかもしれないのに・・・。上映終了後、文句のひとつでもいってやろうと思ったけど、お詫びにと、その回を鑑賞した全員に招待券をくれたので、機嫌直りましたとさ。なんとも現金な奴よの~(笑)。

2005/08/13 @シネセゾン渋谷
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  1. 2005/08/14(日) 22:16:57|
  2. movies(や~わ)
  3. | トラックバック:1
  4. | コメント:2
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コメント

お久しぶりです。
この記事読んで、すごくこの映画見たくなりました!!前評判があまり、聞いた事がなかったので、どうなんだろって思ってたんですけどね。
なかなか、パンチのある映画みたいで。
さっそく、借りてみてみようと思います(^^)
  1. 2005/11/23(水) 23:47:20 |
  2. URL |
  3. ゆかっつ #H6BUcOWI
  4. [ 編集]

☆ゆかっつさん☆

こちらにもお越しくださり、ありがとうございます!

「リンダ リンダ リンダ」、確かにこの作品って、こちらでも超話題になった作品ではありません。女子高生がメインということで、アイドルチック名作品だという誤解を招いていたのかもしれません。

でも、ロックを愛する者として(別にロック・ファンじゃなくても、何かに打ち込んだ青春時代を送った人でもOK)、スゴく元気をもらえたし、人物描写なども含めて、この作品の監督の手腕がお見事だったと思いました。

モチロン、音楽もそうですが、映画の価値観というのは人それぞれで、必ずしも観た人すべてが絶賛するかどうかは分かりませんが、ゆかっつさんがご覧になってどのように感じられるか、是非お聞きしたいです♪
  1. 2005/11/25(金) 21:54:48 |
  2. URL |
  3. mista-bone #8/MAAvuo
  4. [ 編集]

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『リンダ リンダ リンダ』

文化祭で「ザ・ブルーハーツ」のコピーバンドに挑戦する女子高生4人の奮闘を描く青春物語。(当地での公開が楽しみ 8/20-)監督:山下敦弘脚本:向井康介/宮下和雅子/山下敦弘配役:ガールズバンド「パーランマウム」として7/20 CDデビュー留学生ソン(ボーカル):ペ・ド
  1. 2005/08/17(水) 23:39:27 |
  2. cinema days 『映画な日々』

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